失恋未遂ネタバレ122話｜時峰が本音を吐露する。心の奥で誓いを立てる泉。そしてふたりは・・・

高宮ニカ&イアム大先生の失恋未遂122話をネタバレ有りであらすじやお得に読める方法をご紹介します！

 

時峰と楽しく飲んでいたところ、時峰の部屋で一冊のスケッチブックの中身を偶然見てしまった泉。

それは時峰が想う女性の姿のスケッチの数々であった・・・。

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目を合わせずに答える時峰。

 

ハートブレイクを感じる泉。

こんなんじゃ、さりげなくギンギラギンになんかなれないよ！

 

一世一代のピンチ。

勇気を出して聞いてみた。

 

「その人と、付き合わないの？」

 

時峰はラッキーストライクに火をつけ、深く煙を吐き出した。

「それ、言わなきゃなんねーの？」

 

冷たい目線。

もうそこにいるのは、さっきまでの優しい時峰ではなかった。

 

「ごめん・・・・。わたし、帰るね」

 

その時、時峰が語りだした。

「俺が好きなその人、婚約者がいるんだ・・・」

 

まぶしく輝いて、いつまでも美しいメモリー。

胸の奥でスウィートでいつづけるメモリー。

 

夏の終わりを感じさせるメロディーがスピーカーから流れだす。

 

泉は立ったまま時峰を見つめた。

「彼女の結婚相手は、一流の建築デザイナー」

 

時峰はうつむき加減で語る。

「それで、彼女自体も財閥の娘なんだ。身分がちがうよ」

 

「そんなの、関係ないじゃない。好きならいいじゃないの」

「先生、そうもいかないよ。俺も組織の人間なんだから」

 

そういって自虐気味にほほ笑む時峰だったが、泉にはその表情が痛々しく感じられた。

 

お互いの気持ちは時にすれ違うのに、続いてしまう密会

時峰には他に心から想っている女性がいる。

それでも泉は時峰から離れられずにいる。

 

このままでもいい、ずっと時峰との関係が続くなら・・・。

 

時峰はベッドサイドに置いてあったタバコとライターをつかむと、ベランダへ向かって戸を開けた。

この状況には不釣り合いなほどカラカラカラと軽い音を立てる戸。

 

「あなたって女々しい男なのね」

泉は精いっぱいの憎まれ口を叩いた。

 

「ああ、そうさ。俺は超女々しいのさ」

切ない表情でそう言う時峰。

 

どこまで本気かわからない。

そんな表情と口ぶりであった。

時峰の物憂げな表情&泉の心の奥のわだかまり

ベランダでタバコの煙をくゆらせる時峰。

泉の気持ちも煙のように風に溶けて消えていくかのような気がした。

 

（わたしは時峰の本命にはなれなくてもいいのだ。ずっと時峰のそばにいられるなら・・・）

泉は思い詰めていた。

 

時峰は自分の恋の成就をあきらめている。

わたしも時峰の本命になることをあきらめている。

 

なんというアンバランスなカップルだろう。

泉はなんだかおかしくなった。

 

（わたし、ズルい女になるよ。時峰とずっと一緒にいられるなら）

泉は心の中で誓った。

 

不倫だとわかっていても、心の中のブレーキが利かなくなってしまっている

どうしてこんなに好きになってしまったのだろう？

 

グラスの氷がカラン、と音を立てた。

スピーカーから心地よい音量で流れるジャズ。

 

時峰の本命にはなれないと知りながら、それでも時峰のそばを離れられない。

泉はマッカランの12年物に口をつけた。

あくまでクールな時峰。情熱と冷静のアンバランス

時峰がベランダでタバコを吸っている間も、その場に立ち尽くしていた泉。

 

(この気持ち、なんだろう？嫉妬？それだけじゃない、なんだかよくわからない）

 

泉は今まで混じたことのない複雑な感情にとまどった。

 

確かに時峰は女々しい。

卑劣だし軽薄だ。

 

でもそれだけじゃない。

時々、遠い向こうを眺めるような目線。

 

静かに消えてしまいそうな、はかない表情。

 

それらすべてが時峰が形成している。

そしてひとつの完璧な存在となって、泉の脳内にイメージが固着する。

 

複雑にこんがらがった社会だし、時峰は組織の中で頑張るサラリーマンだ。

知識と教養と名刺を武器に、時峰たちが支える明日の日本。

 

そして晩御飯も社内で一人、インスタントフードなんかを食べているのだろう。

本当に頑張り屋さんだ。

 

報われやしないのに・・・・。

 

時峰は上京3年目であった。

それでもムービースターを夢見ているらしかった。

 

世間知らずでお人よしだった。

相変わらず夢を見続けているようだった・・・。

 

時峰の周囲の仕事のできない人たちは口をそろえて言う、

「あいつは変わった自惚れ屋だ」、と。

 

あんなに時峰は仕事をがんばっているのに。

 

退屈なヒットチャート、秩序のない現代。

 

皆病んでいて、必死に生きている。

 

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でも、それからの日々や時間が時峰くんにとって無意味だった訳ではなく、念願叶って「本命」と暮らせるようになったとしても、泉と過ごした記憶が不意に顔を出してくるのは当然なことでしょう。

 

恋のむくろというのは、時峰くんのように掴まえられても、かなりの割合で破滅が待っているのではないでしょうか。

何しろ一度終わってるのですから。

 

終わらせた方から掴まえられにきたのですから。

 

海外に駆け落ちしてからの時峰くんは、そのままじゃ更にダメになっていってしまい、たぶん身を滅ぼしただろうけど、泉さんはいずれ時が経ちさえすれば大丈夫だったかもしれません。

 

ただしそれは、一生本人を目の前にしないという条件ありきで、 一年を経て時峰くんが泉さんの前に現れてしまったことで、

「本命」に時峰くんを奪われた時と同じように泉さんの均衡が一瞬で一気に崩れてしまい、記憶の瓶の蓋が開いてたような感じになってしまったのですね。

 

やっぱり次回も目が離せません！

お楽しみに♪