エロスの種子ネタバレ10話【第4話/マリーゴールド】ストリップ劇場の踊り子募集に応募してきた少女マリー

踊り子募集の看板を指差す少女

昭和40年代、ストリップ劇場「ロマン座」で、林は支配人をしていました。

支配人といっても、住み込みの踊り子が数人いるだけでなので、呼び込みから何から全て自分でやっています。

その日も林は、ロマン座の前で呼び込みをしていました。

すると一人の少年が、看板の前で足を止めます。

林は、ガキが来るところじゃないと、追い払おうとしますが、少年は、看板の「踊り子募集」を指差しました。

林は、少年ではなく、少女だったことに驚きます！

新しい踊り子誕生　その名はマリー

少女の名前は鈴木一子(いちこ)、18歳だと言いましたが、どう見てもそれより幼く見えます。

一子は、生まれてすぐ施設の前に捨てられていて、親の顔も知らないと言いました。

彫りの深い顔立ちに、色素の薄い肌と髪を見て林は、売春婦と米兵の間にできた子供だろうと考えます。

当時は、そういった子供が施設の前に捨てられていることがよくありました。

踊り子として働きたいという一子に、意味は分かっているのかと、林は改めて聞きます。

一子が頷くと、林は踊り子のミキと杏奈に、一子に衣装を着せて綺麗にするよう言いました。

盤の上で一曲踊りきること、それが一子に課せられた試験です。

当然、最後には真っ裸にならなければいけません。

長年この世界にいる林は、一子のように行き場をなくした少女が、働きたいと言ってくることに慣れていました。

そして大概の女性は、実際に客の前に出ると脱げないことも知っていたのです。

一子は客の前で、見事に脱ぎ、踊り抜きました。

林はその度胸のよさをかって、一子を雇うことにします。

ステージから帰ってきた一子は、客に喜ばれ、花束をもらったと興奮した様子で林に話しました。

林は花束のマリーゴールドからとって、一子の芸名を「マリー」と名付けました。

そして林は確信します。
マリーがストリップ界で花を咲かせるだろうと・・・。

ロマン座メインの踊り子を目指す

その日からマリーは、他の踊り子を真似することで踊りを覚えていきました。

ロマン座専属の踊り子は、三人います。

明るくて華があるミキは、リズム感がよく動きが大胆です。

杏奈は身体が柔らかく、一つ一つのポーズがとても絵になります。

そしてメインの天城さくらは、マリーの目から見ても、大人の色気、エロスをまとっていました。

その他は、週によってフリーの踊り子が入ります。

マリーは、さくらを目指せと林に言われました。

さくらが踊れば、客はタンバリンを叩き、リボンを飛ばします。

常連のオノは、プロのミュージシャンらしいのですが、気分がのるとタンバリンを叩いてくれるのです。

客と一体となって盛り上がるステージを見て、マリーはさくらのようになると決意するのでした。

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