それでも愛を誓いますか？ネタバレ15話！火遊びの代償は噂話。純にしてみればただの憂さ晴らし。

子供が欲しい純。

しかし武頼との夜の夫婦生活がうまくいかない。

武頼は仕事で疲れているせいだと言うが、純にはそう思えなかった。

（わたしにセクシー成分が足りないからだ！）

純はまずダイエットを開始した。

タンパク質中心の糖質制限食、そして筋トレ、ヨガ、ストレッチ、ウォーキング。

次にネットで性的技術を勉強した。

「なるほど、なるほど。そこをこうすればいいのね。ふむ、ふむ」

さらにセクシー下着。TバックどころかOバック。

ブラもパンツもワンタッチですぐに脱着可能。

極めつけはオトナのおもちゃ。

Amazonで数々のアイテムを買い込み、ベッドサイドに常備。

「これでバッチリだわ」

まるで審判の日に向けて備えるサラ・コナーのようだった。

あとは武頼にその気になってもらうだけ。

ある日の夜。

お風呂上りに耳の裏に香水はたいて勝負下着を装備する純。

すると、武頼が

「悪い、純。明日5時半起きで早いんだ。今日無理だから・・・」

「なんですって！」

純の顔色がみるみる変わる。

「わたしがこんなに努力してるのに！あんたがそんな体たらくだから！なにさ、このフニャチン！役立たず！腐れチ〇ポ！！」

「落ち着けよ」

「落ち着いてられるかっての！全部あんたのせいじゃない。ふざけないでよ、どうしてくれんのよ！！」

「オモチャがあるだろ」

「なめてんの！？ちょっと、バカにしてんの！！」

純の怒りはおさまりそうになかった。

トイレに逃げ込む武頼。

扉を閉めて鍵をかける。

本当は仕事の都合なんかが原因じゃない。

身体が言うことを聞いてくれないのだ。

スマホの電源をオン。

（ファイナルファンタジー　スマホ版）

いつものようにプレイする。

いつもと変わらないグラフィックと音楽。

いつもと変わらない・・・・。

ふいに涙ぐむ。

武頼は嗚咽した。

それでも愛を誓いますか？【15話】ネタバレあらすじ

担当していた案件が無事うまい具合にノルマを達成し、みんなで喜びを分かち合う純。

仕事にやりがいと充実感を感じて、とても気分が良かった。

（こんな気持ちになるのって、いつぶりだろう）

武頼とはうまくいっていないが、職場では即戦力として実力を認められ、純の自尊心は満たされた。

真山が「よかったですね」とボソッと声をかけてきた。

「真山くんも、やったじゃん」

肘で真山をつつく。

（本当に今日はいい日だ。こんなんだったらプライベートの嫌なことも忘れられそう）

ルンルン気分でトイレへ向かう途中。

ふと、複数並んでいるミーティングルームの一室から純の名前を含んだ会話が聞こえる。

「最近さあ、純さん、真山くんに距離近いよねえ。なんかあれ狙ってない？ｗ」

「前も社員と派遣さんの不倫ってあったよねえ」

「純さん、けっこうガツガツいってるよね」

「なんかお昼とかご飯に誘ったりしてるってよ」

「えー、うっそーｗｗｗ」

（・・・・。）

社員の若い女の子たちだ。

くっそう、人のことコソコソうわさしやがって。

でも、自分もちょっと焦り過ぎていたかもしれない。

別に焦らなくても真山くんは消えていなくなったりしない。

ここはもうちょいじっくりゆっくり時間をかけますか。

それはそうと、仕事で立派な成果を出したのだ。

今日は帰りにちょっといいもの食べちゃおうかな♪

するとそこへ部長の花山が通りかかる。

「お。純さん。ニコニコしてるねえ。例の案件うまくいったんだって？すごいね」

「いえ。みなさんのご協力のおかげです」

「まーたまた。謙遜しちゃって。ハハハ」

ミーティングルームが静かになる。

純が廊下にいることに気が付いたのかもしれない。

「しかし、メインの真山よりも活躍したからね、ほんと純さん社外交渉うまいねえ」

「いえ、そんな」

「社員にはならんの？」

「え、わたしは・・・」

「まあ結婚してるからね、家のこととかもあるかもしれんけど。でも、なるつもりあるんなら俺が人事に言っとこうか？」

「ほんとですか！」

「ああ。人事の成宮は俺の同期だからな。仲いいのよ。先週も千葉にゴルフに行ってきたから。一緒に」

「そうなんですか。あの、一応わたし社員志望で・・・」

「そうかそうか、わかった。俺が言っとくよ」

「ありがとうございます！」

仕事は順調だった。

あとはもう少し、プライベートが充実してくれれば・・・・。

トイレに入って洗面台の鏡に前に立った。

（がんばれ、純！）

自分で自分を鼓舞した。

純は着実にキャリアウーマンとしての地歩を固め始めていた。