金魚妻 ネタバレ92話！金魚妻8(1)金魚店の店主、心を入れ替えて僧侶に転職するも初日に寝坊で遅刻！！

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見どころの要点の見出しを小出しにしていくよりは、むしろ金魚店などたたんでしまおう。

そのように金魚店の店主・ガラモン豊田は考えた。

日本酒のつまみに甘い饅頭を喰らう。

天地も喰らう。

てんちむは嫌う。

「だから、どうした！」

ガラモン豊田は癇癪を起した。

「あなた、落ち着いて」

妻がコップにゲータレードを入れて持ってきてくれた。

「ポカリスエットにしてくれ」

そしてスローなブギで踊った。

 

その頃、優香は元カレである潤の自宅でFxCKしていた。

 

「よし、イタリアへ行こう！」

急に思い立って妻と幼いわが子を伴って、ガラモン豊田は一路、イタリアを目指した。

イタリアのローマではタンロンとチャック・ノリスが死闘を繰り広げていた。

が、おいしいパスタ屋で食事することを優先したため、それは見物できなかった。

「ちゃお～～」

すっかり浮かれているガラモン豊田。

妻は少し疲れた。

イタリアン・ジェラートを食べて休憩した。

コロナ禍であっても、現地のイタリア人のマスク着用率は高くなかった。

 

一方、その頃。

優香はまだ潤とFxCKしていた。

金魚妻【92話】ネタバレあらすじ

閉店します。長い間ご愛顧いただきありがとうございました。

金魚屋は閉店した。

「だって、仕事面倒くせえもん」

ガラモン豊田は朝から酒浸りの生活になった。

たまに出掛けるところといえば、パチンコ屋くらいのもんである。

妻は育児放棄して「半沢直樹」に夢中になっていた。

テーブルの上の灰皿は吸い殻であふれていた。

「わたしって、金魚妻」

「なんだい、それは？」

「金魚鉢に閉じ込められているの」

「わけわからんわ、ちょっとパチンコ行ってくらぁ」

 

その日の夜。

ガラモン豊田は行きつけのスナックで上機嫌で講釈を垂れていた。

「日本酒ってのはさあ！案外、甘いものが合うんだよ。あんこだよ、あんこ！饅頭とかさあ！」

その頃、自宅ではガラモン豊田の妻が鼻から違法薬物を吸引、スッキリしたアタマで「半沢直樹」を堪能していた。

 

スナックを出たガラモン豊田は飲み足りなかったのか、駅前の小さな焼き鳥屋へ足を運んだ。

狭い店内はほぼ満席だった。

「おう！いらっしゃい、まーちゃん」

まーちゃんはガラモン豊田の下の名前、昌弘に由来したあだ名であった。

席に着くなり、ガラモン豊田は店主にしゃべりかける。

「あれ見た？安達祐実の時代劇みたいな映画。安達祐実、乳首出してたよ！いやあ、美乳だねえ、ありゃ」

「相変わらずだな、まーちゃん。ビールでいいか？」

「ああ」

その時、店内には一般人に紛れてブルース・ウィリスがいたことをガラモン豊田は最後まで気が付かなかった。

 

ベロベロに酔ったガラモン豊田は管を巻いた。

「金魚妻って言うけどよぉ、じゃあ金魚の旦那はどこなんだ」

いくら疑問を持っても答えなどないこともある。

まして、酒を飲んだ頭で何か考えたところで無駄なことである。

酒を飲んだら唄って踊ってFxCKでもしていればいいのである。

酒に酔ってモノを考えるのはナンセンスだ。

「金魚妻ってそもそもなんだよ、ちくしょうめ！」

ガラモン豊田は荒れた。

「俺は働きたくねえんだよ！！だってさ、働いたって税金めちゃくちゃ引かれるじゃねえか。なんなんだよ。持っていきすぎだろ？働いてんのは俺じゃねえか。俺のカネじゃねえか」

ガラモン豊田は店を出て、建物の隙間に入って小便をした。

 

後日、ガラモン豊田の自宅に税務署の職員が訪ねてきた。

「最近ですね、私の家の近所にドラッグストアが新しくオープンしましてね。会員カードを無料で発行すると、その店で使えるポイントが500円分プレゼントされるわけです」

「ほう、それはお得ですな」

「私は早速手続きしに行きましたよ。しかしですね、500円分というのは、案外中途半端な金額なわけですよ。いざドラッグストアで500円分の商品というとね・・・。特に500円を超える価格の商品にも欲しいものがないんです」

「それは困りましたな」

「でもそのうちトイレやティッシュが必要になったら、それらに使おうと思います」

「必需品ですからね」

「そうです」

 

その頃、優香は町はずれの公園の丘で中秋の名月を眺めていた。

「まるで吸い込まれそうなくらい綺麗」

その瞳の奥に満月。

花村萬月。

マンゴスチン。

今夜はマンゴープリン。

月見バーガーなどは軟弱。

ブルドーザーでドーン！

 

地球に接近中の火星を、京都府向日市天文館の嘱託職員・井手楽機用さん（仮名・６３歳・ふたご座）が撮影した。

秋の夜空でひときわ明るく輝く姿が、生命活動への想像をかきたてる。

かつては火星の表面に大量の水があったことも確実視されており、生命の存在の可能性を巡って議論が続いている。

そして、ついにこの議論に決着が付く時が来た。

惑星ベジータの王子、ベジータ様が火星でマイホームを建築、居住。

その様子は地球からも観察できた。

 

そしてガラモン豊田は語る。

「能書きばかり垂れてもね、どうにもならんでしょ」

そう言って、ジョイントをスモーキング。

「あたしゃあね、働きたくないんですよ。だって面倒くさいでしょ」

ハイバックの本革張りの背もたれにもたれかかる。

煙を吐き出す。

「やっぱりね、日本酒には饅頭が合うわけですよ。何度も言いますけどね、饅頭ですよ、饅頭」

筆者は彼の話を聞きながら頷いた。

「全部、嘘だけどね」