不浄を拭うひと ネタバレ19話！好かれていた富さんが救急車で運ばれた

ボランティアなどもして、周りの人にも好かれていた富さん。

富さんは死んでしまうことを予想して、部屋をきれいにしていたわけではなかったと思います。
きちんとした生活で、いつでもきれいに使っていたのでしょう。

部屋にはその人の生活態度や人格が表れるものですよね。

そして、コロナという災害時だからこそ、改めて人の在り方というものが問われるのではないでしょうか。

今回の件で、世の中はコロナへの恐怖であふれているけれど、一番怖いのは、感染した人への差別や偏見なのではないか、助け合う心を忘れてはいけないと山田さんは考えたようです。

山田さんはこの先、コロナで亡くなった人の部屋の清掃や遺品整理に行かなくてはいけない日が来るのではないでしょうか。

その時、山田さんに対して周りの人が過度に避けたり、山田さん自身にも心境の変化が出てきたりするかもしれないですね。

不浄を拭うひと【19話】ネタバレあらすじ

日本で新型コロナウィルスの感染が流行りはじめてから数ヶ月。
山田さんの街でも、まだ自粛生活が続いています。

こんな時でも、特殊清掃や遺品管理のお仕事は変わらずにあります。

今日も仕事をする山田さん。
ふと気づくと、街の人たちの視線を感じるのでした。

以前、コロナで陽性反応がでた人を保健所の人たちが防護服姿で迎えにくるというニュースが流れました。

それ以来、防護服を着て仕事をしていると、どうやら保健所の人と間違われてしまうようなのです。

たまに、通りがかりの人にコロナがでたのですか？と話しかけられることもあります。

今のところ山田さんは、コロナで亡くなった人の部屋の清掃をしたことは無いのですが、世の中の関心が強いことを感じずにはいられません。

ある日、仕事をしていると金田さんに会いました。

金田さんは、山田さんの家の近くにいくつもマンションを持っている大家さんです。

金田さんの持っているマンションには、高齢の入居者が多いので、何度か特殊清掃や遺品整理に行くことがありました。

山田さんにとっては、珍しい「常連の大家さん」です。

防護服を着た太った人がいるから、もしかしたら山田さんかもしれないと思ってと悪びれなく金田さんは言います。

ひとしきり雑談をして、金田さんはその場を後にしました。

その晩、家に帰り奥さんに金田さんと会ったことを話す山田さん。

奥さんは、今日の現場は遠かったのに金田さんに会ったことにビックリしています。

奥さんが、夕食のチャーハンを出しながら、今日、ネコの清掃依頼の人から電話があったことを話しました。

山田さんが、何と言っていたかと尋ねると、奥さんは、今回は見送らせて欲しいとのことだったと言いました。

実は先週、「動物が死んだ場所の清掃もできるか」と依頼の電話が入っていたのでした。

依頼主は、ある会社の社長さん。
会社の倉庫に、よくノラネコが来ていました。

そのうち、社員の一人がコロナで陽性になり、仕事はお休みに。

数日後、社長さんが倉庫を見に行ってみると、そのノラネコは死んでいました。

役所に電話をして、死骸は持って行ってもらったのですが、コロナはネコにも感染するとニュースで見て、元気だったのに急に亡くなったこともあり、もしかしたら、あのネコもコロナにかかっていたのではないかと心配になったのです。

そうして社長さんは、ネコがいた場所の清掃を山田さんに依頼をしてきたのでした。

山田さんは、リスクを伴う仕事になるので割増料金が掛かることを伝えました。

その場は、考えますと言って終わったのですが、やはり割増料金だったからでしょうか、今日になって断ってきたのです。

少し残念そうな山田さんに奥さんは、割増料金になっても仕方がないと言いました。

山田さんは、これから先、このような相談が増えてくるだろうから、その時はどうしようかと考えてしまうのでした。

ある日の休日、近くで消防車の音がして目が覚めました。

奥さんが近所で火事でもあったのではないかと心配して窓から外を見ています。
救急車の音も近づいてきて、すぐそばで止まりました。

山田さんと奥さんが窓から外を見ると、消防車と救急車が金田さんのマンションの前で止まっています！

心配していると、金田さんが出てきました。

担架でおばあさんが運ばれてきて、金田さんと話をしています。
暫くすると、おばあさんは救急車で運ばれていきました。こんな近所でコロナ陽性の人がでたのだとしたら怖いと奥さん。

その日の夕方、近所のスーパーの店員さんも感染したと奥さんが話していると、金田さんから電話がありました。

金田さんは、今日のできごとについて、80代の入居者が倒れて急に動けなくなり、自分で救急車を呼んだのだと言いました。

コロナじゃなかったとほっとする山田さん。

金田さんは、話を続けます。

さっき病院から電話があって、おばあさんは持病の発作で亡くなったと。

朝はしゃべっていたのに・・・。急な展開にビックリする山田さん。

金田さんも信じられないと言いました。

おばあさんの名前は、富（とみ）さん。

身寄りのない一人暮らしで、保証人に電話をしましたが、部屋のものは全部処分して欲しいと言われたそうです。

金田さんは、近いうちに遺品整理を頼みたいと言いました。

電話が終わって、奥さんに富さんが亡くなったことを話すと、奥さんも朝運ばれたばかりだったのにと驚きました。

富さんとは、挨拶する程度には顔見知りだったそうです。

富さんは交通ボランティアをやっていて、子供たちにも人気のシャキシャキとしたおばあさんでした。

発作で急に亡くなるなんて、暗い話題ばかりでいやになると、奥さんは涙を浮かべました。

翌日、金田さんは富さんの部屋へ。

ゴミだらけかもしれないと、覚悟をして家に入ったのですが、中はとってもきれいに片付いていました。

暫くたったある日、奥さんが富さんの遺品整理の件で、金田さんから連絡があったかと山田さんに尋ねました。

いつもはすぐに連絡が来るのに、今回はまだないと不思議がる山田さん。

別の業者に頼んだのかなと話しているところに、金田さんから電話が入りました。

今から富さんの部屋に来られないかと。

山田さんは、二つ返事で富さんの部屋へと向かいました。

そして、富さんの部屋へ入ってみると・・・。