それでも愛を誓いますか？ネタバレ22話！純の煩悩は増殖して膨れ上がって際限なく広がっていく。

派遣から契約社員としての直接雇用にステップアップした純。

お給料も少しだけどアップ。

なにしろ福利厚生が派遣とは違うのだ。

これで少しは将来の心配や不安も軽減するというものだ。

派遣以前はコンビニのパートもやっていたが、やはり安定感や充実感が段違いだ。

世の中の、いい歳こいてバイトやパート止まりの連中に対する優越感も味わえる。

「わたしは立派な社会人！」

頭上の空が一気に晴れ渡る。

脳内に響き渡る天使のラッパ。

雨のように降りしきる万札。

黄金のレンガでできた道。

（やっぱり経済的に自立するって大事なことだわ）

ビルの屋上。

どこまでも続く町並み。

仕事の要はインターネット。

もはや人々はインターネット無しでは生きられなくなっている。

「ネットは広大だわ・・・・」

ひとり呟く純なのであった。

それでも愛を誓いますか？【22話】最新話ネタバレあらすじ

ついに派遣から契約社員として直接雇用されることになった純。

会社側から頑張りを認められたのだ。

自分の仕事ぶりを認められたのがとても嬉しかった。

社会人として認めてもらえたのだ。

思えば大学4年生の時の地獄のような就職活動。

当時は完全に買い手市場で、数十もの企業の面接を受けても落ちることなど珍しくなかった。

もうあんな地獄は経験したくない。

やっと自分の能力を活かした職場に巡り合えたのだ。

ここでじっくり仕事に取り組んでキャリアアップしていかなくては。

なにより、経済的に自立するのは本当に重要だ。

武頼の扶養であっても、これは自分のプライドにも関わる問題だ。

武頼は優しい人間だ。

わたしが専業主婦がいいと言えば、そうさせてくれるだろう。

でも、わたしは社会から一人の人間として認められたい。

その上で妻や母親としての幸せも手にしたい。

要するに、女としての幸せはすべて手に入れたい。

まだ自分が元気なうちに。

派遣のオフィスワークを始める前はコンビニでパートをしていた。

決まりきった作業を、決まりきったセリフと共に淡々とこなすだけの時間。

そこにもお客さんと同僚とのふれあいはあった。

でも、何かがちがった。

わたしはずっとここにいて、毎日こんなことをやり続けるのだろうか？

そんな疑問が湧いてしまったのだ。

こんな誰でもできる仕事じゃなくて、もっとわたしに特化した能力を社会に認めて欲しい。

わたしは社会に認められたかった。

わたしという人間の存在を承認してほしかった。

その欲望は尽きることがなかった。

武頼の愛情とはまた別のものだった。

わたしは常に飢えていたのだ。

そして、今。

わたしは自分の力で飢えた自分に与えることができるのだ。

わたしの飢えを満たすこと。

これはわたしに与えられた使命だ。

その上で武頼の愛情も欲しい。

子供も欲しい。

あの女に負けたくない。

わたしは全部欲しい。

わたしは完璧に満たされたい。

般若のような顔でオフィス街を歩く純。

果たして純が欲するものすべてを手中に収める日はやってくるのであろうか・・・。