シークレットレディ ネタバレ37話【ピッコマ漫画】ロアンの不安とビシュテアンの兄弟

ビシュテアン王国

建国祭を前に動きがありました。
何かを企んでいるのはビシュテアンです。
またなにやらひと騒動の予感が……！

シークレットレディ37話のネタバレ込みあらすじ

肖像画の間で

突然現れたラノンは、無表情で首をポキポキと鳴らします。
そして髪をスッとかきあげ、にっこりと笑うのです。
一連の様子を見たロアンは引き気味でした。

無表情の人形みたいな表情は怖いと言うロアンですが、ラノンは事もなげに、たまにこうなる、と答えるのです。
幽霊の姿でいると感情や記憶がどんどん薄れていくと。
自分自身が誰だか忘れてしまうそうです。

そうして全ての記憶がなくなってしまうと、悪霊になるんだとか。
自我を失い、己の名前すら思い出せなくなって、この世を呪うのです。
ロアンは黙って考えました。

それはつまり、いつかはみんなが悪霊になるということです。
不幸なものだけではありません。
いずれみんな記憶を無くして悪霊になるのです。

いずれみんなが記憶を無くして悪霊になる、そう言われてロアンの頭に浮かんだのは、今まで協力してくれた幽霊たち。
みんな悪霊になるのだと予想はしていました。
でも皆と仲良くなりすぎた、そうロアンは思います。

みんな消えたらおしまいです。
でもロアンは1人取り残されてしまう……。
そんなことを考えて俯くロアンにラノンが声をかけます。

君がいれば平気だと。
たとえ記憶がなくなっても、ロアンは皆を名前で呼んでくれます。
そうすることで幽霊たちは思い出せるのです。

自分は幽霊ではなくて「ラノン」というひとりの人間であることを。
しかしロアンは半信半疑です。
ラノンはそんなロアンの頭を撫でました。

そんなことよりラノンには気になることがありました。
それは盛大に行われるという建国祭のことです。
アクラナの小王国や、海の向こうの南方の国にまで使節団を送ったそうです。

そう、盛大に行われる建国祭には、ビシュテアンの王子も参加する予定でした。
ロアンはラノンに尋ねます。
ビシュテアン王国が皇太子暗殺に関与している疑いがあるが、容疑者の王子が入国することをどう思うのか、と。

ラノンは少し考え、ロアンにとってはチャンスだと言い切りました。
いまは宮殿中にロアンの手足となる幽霊たちがたくさんいるからです。
幽霊たちはもう恐怖の存在ではないのだから。

いつぞやの無力感とは違う、高揚感をロアンは感じていました。
どうだい？とラノンは尋ねました。
“なんとかしなきないけない”ではなく“なんとかなりそう”な気がするだろう、と。

２人の王子

ビシュテアン王国、カラシリス宮殿。
第2王子エルナンド・ハン・シャルヤダ・バレトンは帝国の使節団が来たことを話題にしていました。
エスワルがまた大層なことを、と。

出る杭は打たれるのが世の常だ、と同意を求めた相手は、第3王子のカルナン・バレトンです。
しかし彼は、考えるのは兄さんの仕事だと、自分は建国祭を楽しむつもりだとゴロゴロしていました。
そして第1王子は即位式が近いために参加しないと。

第1王子バルタザールは、エルナンドにとって目の上のたんこぶのようです。
父に取り入った甲斐があった、とエルナンドは忌々しそうに話します。
その努力は認めるが、笑っていられるのも今のうちだと。

カルナンはエルナンドに、バルタザールを引き摺り下ろす方法はあるのかと尋ねました。
エルナンドは、勿論、と自信をのぞかせます。
これから打ち立てる功績を目の当たりにすれば皇太子の座は自分のものだと。

この手でカルタゼンを滅すのだから、そう手にした何かを燃やしたエルナンド。
カルナンは、兄さんについていく、と笑顔です。
エルナンドは、口だけは達者だと言いながらも、その通りだと言うのです。

妾の子であるカルナンを拾ってやったのは誰だ、と尋ねます。
功績さえあれば出自は問わないのがビシュテアン王家の伝統。
しかし……。

何かの声でしょうか？
“汚らわしい血よ……脆い爪は隠しなさい。天に届かぬのなら平伏しなさい。汚らわしい血よ、災より生まれし不浄の子よ。牙のない獣の如く振る舞うのだ。これが唯一の生きる道だと心に留めておけ”
２人は目を合わせます。

我が王家にお前の居場所はないのだから。
エルナンドはカルナンにそう伝えるのでした。