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TSUNAGUプロジェクト - 人をつなぐ、命をツナグ -

動物先進国と日本 一人ひとりの意識の違い

Animal Rights for Japan 聖子ファンデストックさん / 辻ひとみさん

ペット可の賃貸物件

日本ではマンション、アパートではペット不可の物件が多く存在しますが、オランダではそのような物件を探すことのほうが困難でしょう。犬は吠える、くさい、子供が怖がるからなどという理由で賃貸を断られたという話は聞いたことがありません。
それは、「動物と一緒に暮らす」という選択の権利があり、その権利が守られているためです。「動物と人との共生」は動物先進国のあるべき姿なのです。

ペットと一緒に入居できる老人ホーム

ペットと一緒に入居できる老人ホーム

オランダの老人ホームでは、本人が犬や猫を飼育できる状態であれば、一緒に入居できる施設もあります。そのような老人ホームのリストがあります。私が以前住んでいたザーンダムという町には、愛犬、愛猫やその他、うさぎや鳥などと共に入居可能な老人ホームが4施設ありました。
また、餌を与えることはできるけれども、犬を散歩させる、猫のトイレ箱を掃除するなどの世話が困難になっている老人のために代行してくれるNPOも存在します。

老人ホームに入るからという理由で、長年家族の一員だった犬猫たちを高齢者から引き離すことは、高齢者への精神的苦痛になるだけでなく、犬猫たちの精神的苦痛でもあると認識されているのです。
オランダのこのような老後システムは、「人と動物との共生」の素晴らしい成功例です。

犬猫たちの苦痛なく生きる権利が人間によって守られている社会では、動物と一緒に暮らす人間にもその選択の権利が尊重されるのです。

老人ホームでは、セラピー犬やオウムなど、鳥を連れての定期的訪問も行われています。また、病院においても定期的に動物とのふれあいコーナーが開催されます。待合室にてうさぎやモルモット、子羊などと触れ合うことができます。動けない患者のために病室までうさぎを運んできてくれます。

犬の福祉向上は健全な国民性に繋がる

「オランダでは、政府も国民も犬の福祉向上は健全な国民性に繋がると認知している」

動物たちが、「その種らしく」そして「苦痛なく生きる」権利を人間が認めるEU諸国では、ZIPPEIくんたちのように声帯の除去など考えられないし、断耳も、断尾も禁じられています。もちろん、要らなくなった犬や猫を殺処分するなど考えられないことです。

オランダは犬猫の数が多すぎるなどという理由で安楽死を行うことは法律で禁止されています。
事故や重病で苦痛を伴い、治る見込みがないと獣医が認める場合以外は新しい飼い主が見つかるまで保護するのが当然です。
以前は、子供を噛んだなどの場合、安楽死が許可されていましたが、それも犬の責任ではないとし、法改正によって禁止となりました。そのような問題犬は保護施設に送られ、新しい飼い主を見つけるために、スタッフとプロのトレーナーがトレーニングをします。

住宅事情

「環境省は11月6日、安易なペットの飼育放棄を防ぐため、地方自治体が飼い主から犬猫の引き取りを求められた場合に拒否できる基準を決めた。高齢や病気が理由なら拒否できるなどとしており、同日の中央環境審議会動物愛護部会で了承された。
8月成立した改正動物愛護管理法は、自治体が販売業者からの犬猫の引き取りを拒否できると明記。6日の部会では、一般の飼い主についても拒否できる基準を省令に新たに盛り込むことを決めた。」とあります。

これによって、山や川などへの遺棄が増え、去勢避妊に対する認識の低さから、さらなる持ち込みに繋がりかねないのではと懸念されています。

日本では殺処分される犬猫があまりにも多く、ボランティアが対応しきれない状況が何十年も続いてます。殺処分問題の元栓を閉めることができない限り、現状を変えることはできません。

どうすれば殺処分を廃止させることができる?
  1. POINT1 政府、議員たちにもっと動物の命に対して真摯に向き合う姿勢をもってもらうように訴え要求する

    議員立法で動物愛護法が決められていく日本では、大部分の議員が、過酷な現状にある動物たちの命に対して、真摯に向き合っているとは感じられない。これが大きな原因のひとつであり、動物たちの命を守る法律に繋がらないどころか、ペット産業の後押しをする結果となっている。

    5年後の法改正では、命を利益にするペット産業側を擁護する法ではなく、西欧諸国のような命を保護し、殺処分を禁止する、動物の目線における動物愛護法を取り入れてほしい。

  2. POINT2 命を生産している側である悪徳繁殖屋・または個人素人繁殖家を取り締まる機関の設置が必要
  3. POINT3 避妊去勢の必要性をもっと広める

    お金がないなどの理由で避妊去勢をしないような認識の低い飼い主がいまだに多く存在する。
    それが殺処分施設への持込や遺棄に繋がっている。

  4. POINT4 ペットショップで命を買わない

    買う人がいなくなれば、悪徳繁殖屋を淘汰していくことができ、ペットショップから生体販売をなくすことができる。
    動物の命を守ることができる唯一の法改正が5年に一度しか行われないこと自体も問題である。
    同時に、メディアにはしっかりと真実を報道するという使命があるはずだ。ジャーナリストに対して真実を報道するように求めていきたい。
    テレビで注意喚起を促すような良識あるTV局は日本にはないのか?

災害で苦しむのは人間だけでない

日本では、ガス室による殺処分の問題だけでなく、福島第一原発の警戒区域内に残された動物たちの問題もあります。

オランダでは災害が起こった場合に備えて、有名な動物愛護団体が過去の経験を教訓にして作った、「緊急災害時における動物(ペット・家畜)救助の手引き書」があり、それは各自治体別で条例として定められています。日本では似たようなものが、わずかの自治体で条例として定められているようですが、中身は具体性に欠けるものです。(例;近くの動物保護施設を避難場所とする。)誰が、どこへ、どのような方法で等といった具体的な記載がありません。

災害が起これば、当然ペットも動物も家畜も被災するのだということは政府も自治体も今まで何度も日本を襲った過去の災害の経験から判りきっていたはずです。動物たちの救助と避難をどうするか、検討するだけでなく、条例として定めていく必要があると思います。

人間でも動物でも、目の前で苦しんでいる命ならば救助するのが、人間の義務ではないでしょうか。オランダ人は、「動物を救助することは人の心を救助することと同じ」という考え方をしています。動物たちも災害で精神的、肉体的に傷つくのです。それ以上、傷つくことのないように、人間だけでなく動物も救助していくという国家の姿勢が健全な国民性へと繋がっていくのではないでしょうか。

日本のペット事情を憂える

ペットたちの命を「利益」として利用し、要らなくなればゴミを棄てるかのように簡単に殺処分を依頼する。そのような社会で、子供たちは一体何を学んでいくのでしょうか?

私たち日本人は、重く辛いこの現実を未来の子供たちに残し続けていくのでしょうか?

オランダも昔から今のように動物に優しい国だったわけではありません。ただ、このままではいけないと思い、大人たちが見て見ぬふりをせず、行動してきた結果が今のオランダなのです。

日本も素晴らしい動物保護施設のある国々を参考にして、殺処分しない保護施設のあり方を研究し、実現してほしいと思います。

Animal Rights for Japan作成動画
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プロフィール

Animal Rights for JAPAN 聖子ファンデストックさん

Animal Rights for JAPAN

オランダに続きドイツ支部も増え今後は日本支部も結成を視野に、日本の動物愛護向上のために役に立てるような活動を行っています。主に犬猫たちの命を守ること殺処分しないことが当たり前の日本になるよう情報発信し続けています。

ホームページ
http://www.animalrightsforjapan.com/
聖子 ファンデストックさん

動物先進国オランダの、徹底した動物愛護の姿勢を国際的なアプローチで発信し、日本の動物愛護制度を変えていくためにNPO「Animal Rights for JAPAN」を設立。シェルターでボランティアを行い、オランダのシェルターからノウハウを学んでいます。

辻 ひとみさん

オランダの日本人補習校の小学校の教師をしながら活動し、子供たちに命の大切さについて伝えています。