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TSUNAGUプロジェクト - 人をつなぐ、命をツナグ -

動物先進国と日本 一人ひとりの意識の違い

Animal Rights for Japan 聖子ファンデストックさん / 辻ひとみさん

互いに連携を取り合う動物愛護団体

大小さまざまな動物保護団体は、互いに連携をとっており、長く仮住まいしている動物たちの情報も大きなウェブサイト上で公開しています。ペットショップで生体販売をしないオランダでは、犬・猫を買いたければ、ブリーダーに直接連絡をするか、施設から引き取りたいときはウェブサイトにアクセスして、どのような犬や猫を引き取ることができるのかを調べます。「IK ZOEK BAAS(飼い主を探しています)」というメインサイトがあり、保護施設にいる譲渡可能な動物の情報はすべてここに集められます。
オランダ国内はもちろん、同じオランダ語圏のベルギーの人たちなど、より多くの人たちに見てもらうことを目的としており、団体同士の協力を通して、よりたくさんの犬・猫が新しい飼い主を見つけることができます。

アニマルポリスの設立

アニマルポリス

現在のようなアニマルポリスが設立される前にも、動物愛護団体には逮捕できる権限を司法警察から与えられていました。
しかし、アニマルポリスの設立を望む声が多く、その結果、動物保護団体と警察が協力して、警察学校で動物保護について特別講習を受け、訓練された警察官たちが動物保護を行うという本格的な「アニマルポリス」が設立されたのです。
これにより、以前より増して、保護を緊急に必要としている動物たちに対し、素早く対処することが可能となりました。

飼っている動物に餌を与えない、世話しない、暴力などの虐待を行う、などが発覚した場合、最高で3年以下の拘留・禁固・懲役か、19500ユーロ(日本円でおよそ210万円)の罰金が課されます。また、動物虐待犯罪を犯した者には今後すべての動物飼育を禁じられます。
(刑を3年から5年に延長、罰金も増やすことが現在、検討されています。)

動物たちの苦痛なく生きる権利と動物福祉
  • オランダの動物保護施設
  • オランダの動物保護施設

「動物たちの苦痛なく生きる権利を守り、動物たちの代弁者となるのは私たち人間しかいない」ということがオランダ全体に浸透しているように思います。実際、動物のための政党が存在し、議会でその都度問題提起がなされ、議論が重ねられています。動物を飼っている人だけの責任ではなく、国民全体がその責任を負っているとも言えます。

その一例として、マイクロチップは原則決まりということもあり、マイクロチップ制度を導入するのは当然のことだと認識されていたわけですが、去年から法律で義務化するべきだと議論が繰り返されていました。そして、2012年9月、ついに義務と可決されたのです。 2013年以降は全ての子犬に対し、生後7週間を経過するまでにマイクロチップを埋め込むことが法律で義務化されました。マイクロチップの義務づけは、繁殖業者と飼い主の把握を目的とするだけでなく、素人繁殖家(バックヤード・ブリーダー)を監視するためのものでもあります。つまり、犬を繁殖する人が繁殖の専門家であるかどうか、犬の販売に関する違法取引をしていないか等を取り締まることを目的にしています。

マイクロチップには所有者(繁殖業者・飼い主)の住所と氏名が登録され、データベース上で管理されます。又、遺棄や世話の放棄といった、いわゆる虐待と見なされた場合、所有者をより早く断定し、取り締まるためでもあります。 以上のことから明確であるように、日本でもマイクロチップの義務化が必要なのです。

住宅事情
公団・公社・都営(県営)・市営の集合住宅

公団・公社・都営(県営)・市営の集合住宅

日本では集合住宅のペット問題が絶えません。このままではいつまでも解決にたどり着くことができず、ペットの処分か、飼い主が退去を迫られるという選択しかないというのが現状です。飼い主のマナーの問題もあります。

犬猫を伴侶にする人が増え続ける日本で、犬猫の存在を集合住宅で受け入れることができる人とできない人がいるのです。双方にとって一番いい解決法は何なのでしょう?

オランダでは低所得者・生活保護者に対しても飼育を法で禁止はしていませんが、動物を飼う際には厳しいチェックが入ります。 生活保護受給者やある程度以下の低所得者だと断られることもあります。獣医への支払いや、治療費が高額の場合支払うことができるか、当局を納得させる答えが必要となります。「家族から治療費を援助してもらうことができる」と答えたら、実際に家族へ確認することになります。
途中から生活保護を受けることになったという場合、ペットの飼育は継続できますが、一般には、そのような条件下ではペットの世話を十分にできなくなる恐れが生じるため、飼育はしない方がいいと見なされています。

生活保護受給者、低所得者を対象に口頭と書状によるアンケート調査を実施した結果があります。

30ページ以上にもなる調査結果から、かいつまんで書くと、オランダには現在30万人ほどの生活保護受給者がいるそうです。
そして、約半分の世帯が犬猫、うさぎ、鳥などのペットを飼育しています。ほとんどの人は生活保護を受ける前から動物を飼育しており、受給者の60%が獣医にかかるコストに困った、足りないなどの経験があると答えています。

そのため、オランダの獣医の多くは生活保護受給者に対して、治療費の減額制度や月払い制度を取り入れています。
生活保護受給者、低所得者に対して、ペットにかかる治療費をいくらか補助してくれるNPOも存在します。実は、このようなNPOがあることがあまり知られていないようです。
また、低所得者や高齢者が安心してペットを飼うことができるよう、バックアップするNPOを増やすように、議論されているそうです。
そのようなNPOはアメリカにもあり、SPCAは保護施設に繋がっています。しかし、オランダではそれが原因で動物福祉が悪化する可能性があると懸念されてお り、この問題をどのように解決していくか、議題として取り上げられています。

住宅事情

日本でも公営の集合住宅でのペット飼育を許可していくほうが、日本の現状に合っているのではないでしょうか。

たとえばペット可の市営住宅とペット不可の市営住宅の両方を建設する。建物を分けたほうが動物と人とのよりよい生活が実現すると思うのですが。

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プロフィール

Animal Rights for JAPAN 聖子ファンデストックさん

Animal Rights for JAPAN

オランダに続きドイツ支部も増え今後は日本支部も結成を視野に、日本の動物愛護向上のために役に立てるような活動を行っています。主に犬猫たちの命を守ること殺処分しないことが当たり前の日本になるよう情報発信し続けています。

ホームページ
http://www.animalrightsforjapan.com/
聖子 ファンデストックさん

動物先進国オランダの、徹底した動物愛護の姿勢を国際的なアプローチで発信し、日本の動物愛護制度を変えていくためにNPO「Animal Rights for JAPAN」を設立。シェルターでボランティアを行い、オランダのシェルターからノウハウを学んでいます。

辻 ひとみさん

オランダの日本人補習校の小学校の教師をしながら活動し、子供たちに命の大切さについて伝えています。